sodasinei转载,原作者:璃雪瑛
Prologue
この日は雲が一つもなかつた
這一天蒼穹萬里無雲。
雨が降る兆しもなく、世界は湿り気を帯ぴて粘りついている。
不只是沒有降雨的徵兆,空氣也沒有帶著濕黏的水氣。
平時であれば星が瞬く夜だ。
如果在平常,就是個星空閃爍的夜晚。
平時であれば靜寂に包み込まれる夜だ。
如果在平常,就是個被寂靜所懷抱的夜晚。
しかし、この日に限っては、いつもの夜が訪れることはなかつた。
但只有在這一天,以往的夜晚沒有到訪。
無情にも大地から立ち上る黒煙によつて、星々が覆い隠されていたからだ。
因為無情地,從大地上升起的黑煙,覆蓋住了星空並將之隱藏了起來。
沈鬱な空とは打って変わり、大地は赤く、赤く、赤く、容赦のない炎に包まれている。
天空變得抑鬱,大地被赤紅的、赤紅的、赤紅的,且毫不留情的火焰所包圍。
怒号と悲鳴──怒り、悲しい、助けを求める声が延々と夜気を突き抜けていく。
怒吼和悲鳴──憤怒和悲傷的求助聲無盡地蔓延,穿透了夜晚寂靜的氣氛。
剣戟の嵐が吹き荒れて、血の臭いが空気を侵食している。
劍戟交戰的風暴猛烈無比,血腥味正侵蝕著空氣。
止まるところを知らない悪意が街を──罪なき人々を蹂躪していた。
不知停止為何物的惡意蹂躪著城鎮──蹂躪著毫無罪過的人們。
無情の一言に尽きる。鬼畜の所行に尽きる。けれども、受け入れるしかないのだ。
即使是如此無情,即使宛如惡鬼所為。然而,卻也只有接受一途。
「絕望を知る者こそ、希望は訪れる」
「正是深知絕望之人,才會渴求希望來訪。」
仮面をつけた少年が、赤く燃える街を眺めながら呟いた。
帶著假面的少年,一邊眺望著被大火染成鮮紅的街道,一邊嘟噥著。
その声は眼前に広がる惨憺たる光景の目擊者にしては平坦すぎる。
那聲音,對於直接目睹災情仍在擴大的目擊者來說,太過平淡。
彼の言葉には抑揚がない。感情というものが『そこ』には存在しない。
他的話語沒有抑揚頓挫。感情不存在於『那裡』。
それは感情の機微が捉えにくい仮面のせいなのか。
是因為戴著面具,所以感情難以捉摸嗎?
それとも──、
還是說──
「……許してくれとは言わない。僕を存分に恨むといい」
「……我不會說道歉的話,只需恨我就好。」
右手で仮面を撫でながら、少年は、燃え盛る街を目に焼き付ける。
用右手輕撫著面具,少年將燃燒的城市烙印在眼底。
夜風が彼の外套を吹き煽り、同時に少年が身に纏う空気を掠わ消えさせた。
夜風吹動著他的外套,同時少年身纏的空氣消失了。
「……これて長く続いた膠着は終わる」
「……這樣一來,長久的僵局就結束了。」
少年は助けを求める人々の声に、手を差し伸べようとして──、
對於發出求救聲,渴望被拯救的人們,少年試圖伸出了手──
「……偽善だな」
「……真偽善啊。」
──救いの手を止めた。
打算救助的手放了下來。
そして、一切合切の情を捨て、身を翻した少年は両腕を広げる。
然後,少年捨棄了所有情感,轉身並敞開雙臂。
「さあ──戦争を始めよう」
「那麼──開始戰爭吧。」
序章 完